欅坂46の第1期メンバー・小林由依の活躍が目覚ましい。ファッション誌の専属モデルを務め、同年末の日本レコード大賞で披露された「アンビバレント」では自身初センターに抜擢。続いて、グループとして3年連続の出場を果たしたNHK紅白歌合戦の大舞台では、「ガラスを割れ!」の歌唱パフォーマンスで再びセンターの大役を務めあげ注目を集めた。そして3月13日(水)に小林の自身初となるソロ写真集『感情の構図』が発売される。欅坂46としての活動を超え、一個人として挑んだ写真集の制作活動が小林の心境にどのような変化をもたらしたのか、写真集制作の舞台裏から、「強くなりたい」という強い想いが生まれた“変化”、欅坂46への想いなどを語ってもらった。

【写真を見る】キュートな”虫歯ポーズ”で笑顔を見せる小林由依

■ 空前の坂道アイドル写真集ブーム、「写真集はずっと“憧れ”だった」

――坂道グループアイドルの写真集への注目が高まっています。そんななか、満を持して小林さん単独の写真集のオファーがあったときはどのような思いでしたか?

小林由依】まず「うれしい」の一言でした。いつか写真集を出せたらな、と憧れていたので。大きな目標の1つでもありましたし、一冊まるごと、いろいろな私を見ていただけるのはすごくありがたいな、と思いました。同時に、初めての写真集で、どんな反響があるんだろうか? 期待に応えられるのだろうか? というプレッシャーも少しありました。

――撮影の舞台はイギリスロンドンと伺いました。遠方のロケでしかも初写真集の撮影。大変だったり苦労されたりしたことはありましたか?

小林由依イギリスロケに臨む前は、とにかく心身のコンディションを整えることにとても気を配りました。でもいざ撮影がはじまると、大変なことは…何もなかった(笑)。もう毎日が新鮮で楽しくって。ロンドンの街並みは、伝統と新しさが絶妙なバランスでマッチしてすごくおしゃれだし、衣装も素敵で、プロのスタッフのみなさんに支えていただきました。

――ファッション誌の専属モデルと写真集、同じ被写体としてのお仕事ですが、アプローチは異なるのでしょうか?

小林由依】ファッション誌では、まず身につけている服のことを考えて、ポーズや表情をつくるのですが、写真集で「主」になるのは私自身。自分をみせるとはどういうことなのか? ということを常に考えながら撮影に臨みました。

■ “素”の自分を出すことに集中、「“ぽんかんさつ”が形になりました(笑)」

――写真集のタイトルは『感情の構図』。小林さんはどんな「構図」を思い描いて撮影に臨まれたのでしょうか。

小林由依】そこはもう、ロンドンという舞台があって、すばらしい写真家さんが撮ってくださったので。私はとにかく、ありのままの自分を出すように努めました。カメラのファインダーに写る私が「自然体」であることが、私が求めるべき「構図」なのかなあ、と。実際、できあがった写真1枚1枚に、素の自分が表現されていて、充実感でいっぱいです。

――今回、水着やランジェリーのショットにも初挑戦されていますね。

小林由依】「あぁどうしよう、水着だぁ!」…という感じではなかったです(笑)。むしろ、私自身、女優さんやモデルさんの写真集を観賞するのが好きなので、「自分が着るとどんなふうになるのかな」って、実は興味がありました。ですからすごく前向きな気持ちで臨むことができましたし、今回の写真集のショットもみんな私のお気に入りです。

――小林さんはtwitterで、この写真集を「ぽんかんさつ※」とおっしゃっていますね。名付け親の織田奈那さんからの写真集への評価はいかがでしたか?(笑)(※編集部注:小林の愛称「ゆいぽん」の魅力を日々観察(かんさつ)するの意。欅坂46メンバー・織田奈那(オダナナ)のブログが発祥)

小林由依はい。すごくよかったって言ってくれました。「ゆいぽん尊い!」って(笑)。そうしたら私まで「『ぽんかんさつ』ってこういうことなのかなあ」って感じるようになって(笑)。まるでこの言葉のために撮られたかのような、少し遠くから観察しているようなショットもあるのでぜひ見てほしいです。

■ 自信が持てなかった自分との決別、「強い人間になりたい」

――昨年のNHK紅白歌合戦ではセンターを務めて話題になりましたね。そして今回の写真集は小林さんが主役です。自分が前面に出るという経験で心境の変化はありましたか?

小林由依】自分が真ん中で注目を浴びることは、やっぱり不安もありました。でも「やる」って決めたら不思議と腹が据わって、自信をもって「見てください」って言える気持ちになってきました。みんなが、仲間が私の背中を押してくれている、という心の支えも大きかったです。センターで歌って、パフォーマンスをしたり、今回の写真集のように自分と向き合って個人として作品の制作に携わる度に、強くなれる気がします。

――欅坂46の冠番組「欅って、書けない?」(テレビ東京系)の中で滝行をした際「強い人間になりたい!」と叫んでいたのが印象的でした。最近の活動ではその想いが形になってきているのかと思いました。

小林由依】私は基本的には楽観主義で、あまり考えすぎない性格と思っていたのですが、一人になると考え過ぎてネガティブな感情になってしまうことが多くて。今までずっと自分に自信が持てなかったんです。だからこそ今は、壁に当たって落ち込むことがあっても、すぐに立ち上がって周りの人を励ますことができるような“強い存在”になりたい、と思っています。

■ 楽曲で想いを伝えるためにも、個人活動でメンバーの個性を伸ばしたい

――新曲の「黒い羊」のパフォーマンスでも平手友梨奈さんに手を差し伸べる印象的な役割を担っていますし、グループの中でも楽器、歌、ダンスと多才な印象があるのでそんなコンプレックスがあるのは意外でした。小林さんが自信を持てるようになったきっかけがあったのでしょうか。

小林由依】特に大きなきっかけはないのですが、活動してグループで経験していく中で自然と自信が付いてきた…のかもしれません。

――近年、メンバーの個々の活動が活性化しているのも、自分がグループを引っ張っていくんだ、という想いが強くなってきている印象です。2期生が加入したり、グループが変わっていく中で自然と小林さん自身も変わってきたのでしょうか。

小林由依】センターに立たせて頂いたり、写真集の制作を通して得た経験は、私の一生の財産です。今まで気付かなかった自分を発見できましたし、より自信を持って発信できるきっかけになったと感じます。メンバーそれぞれが、個々の活動で自分自身を高めることができれば、欅坂46がもっと強くなれると思っています。

――今後も個人の活動も楽しみですね。最後に、小林さん今後の活動についてお聞かせください。

小林由依】やっぱり、欅坂46の楽曲……伝えなきゃいけないって思う曲たちを、たくさん歌って伝えていきたいです。欅坂46の仲間たちもきっと同じ想いだと思います。(東京ウォーカー(全国版)・丹羽毅)

欅坂46・小林由依