『六本木クラス』で再共演 平手友梨奈&鈴鹿央士の『ドラゴン桜』後の足跡を辿る

平手友梨奈&鈴鹿央士、東大専科が再共演

 好調なスタートを切った『六本木クラス』(テレビ朝日系)で主人公の宮部新(竹内涼真)を支えるのがダブルヒロインの1人、麻宮葵(平手友梨奈)だ。また新を陥れ、破滅させようとする長屋茂(香川照之)の次男で、葵の同級生・長屋龍二を鈴鹿央士が演じる。平手と鈴鹿には、2021年放送の『ドラゴン桜』(TBS系)に生徒役で出演した共通点がある。劇中で東大専科に所属する2人は、阿部寛演じる桜木健二の教え子として目覚ましい成長を遂げ、多くの視聴者の心をつかんだ。

 欅坂46の絶対的センターだった平手は、脱退後は俳優活動を本格化。『ドラゴン桜』では全国優勝を目指すバドミントン部の岩崎楓を演じた。楓は膝の怪我からスランプに陥り夢を諦めるが、桜木と出会うことで新たな目標を見出し、東大合格を目指す。両親の期待に板挟みになりながら、鬱屈した自分の殻を破って力強く進む楓の姿は同世代に勇気を与えるものだった。

 カリスマ性と抜群の身体能力を備える平手は、映画『響 -HIBIKI-』や『さんかく窓の外側は夜』で天才肌あるいは特殊能力を持った高校生を演じている。ハマり役と言っていいが、『ドラゴン桜』と前後して等身大の役柄を演じる機会が増えつつある。

 2021年の映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、岡田准一扮するアキラ/ファブルの壮絶なアクションが見どころだが、平手演じるヒナコが過去を乗り越えるストーリーがもう一方の軸にあった。

 また、2021年12月に2週にわたって放送されたドラマ『風の向こうへ駆け抜けろ』(NHK総合)で、平手は女性騎手の芦原瑞穂を演じた。地方競馬に流れ着いた瑞穂が、調教師の緑川(中村蒼)や失声症の厩務員・木崎(板垣李光人)らとともに、心に傷を負った牝馬フィッシュアイズと「人馬一体」となって栄冠を勝ち取る姿は成長物語として見応えがあった。

 『ドラゴン桜』以降、リアルな感情描写で新境地を開いた平手が満を持して挑むのが『六本木クラス』の葵である。オリジナル版の『梨泰院クラス』で葵に当たるイソ(キム・ダミ)は、IQ162でソシオパスの気質を持つ人気インフルエンサーだ。明晰な思考とエキセントリックさが同居する反面、主人公のパク・セロイ(パク・ソジュン)に思いを寄せる等身大の一面も持つ。日本版の第1話冒頭では、クラブで踊る葵の姿がクローズアップされたが、平手が培った魅力が全開になるキャラクターと言えるだろう。

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