長濱ねる「高校生の頃に恥ずかしくて読めなかった青春熱血漫画が、最近は胸にくる」【Reader Store 10周年祭り特別企画】

文芸・カルチャー

更新日:2021/1/16

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長濱ねる

 2019年に欅坂46を卒業し、今年7月より新たな活動をスタートさせた長濱ねるさん。

 かねてから無類の本好きとして知られ、ブログなどを通じて文章を書くことでも評価を得てきた根っからの文系の人だ。現在は雑誌『ダ・ヴィンチ』にて、念願でもあったエッセイを連載している。

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 そんな彼女と本の話をしてみれば、その思考回路はやはり奥深いことこの上なかった。柔和なたたずまいの中にもしなやかで凛とした芯を感じさせる22歳は、世間が思う以上の大器かもしれない。

自分で選んだ児童書をたくさん並べた本屋さんをつくりたい

───グループを卒業してから今年7月までの間、何をしていたんですか?

 1年間、本当に穏やかな生活をしていました。実家に帰って家族とも過ごしたし、ひとりでラーメン屋さんに行ったり、ひとりで焼鳥屋さんに入ってお酒を飲んでみたり(笑)。本もたくさん読めて、楽しい毎日でしたね。

───ねるさんといえば、ファンの間でも読書家として有名ですが、そもそも読み始めたきっかけというのは?

 母がすごく本を読む人で、実家には大きな本棚があるんです。そこから星新一さんのショートショートなどを選んで読んでいました。近所の図書館にも毎日のように通って、児童書をたくさん借りて。そのなかでも、小学生のときに出会ったロアルド・ダールの「マチルダは小さな大天才」に感銘を受けたんです。主人公のマチルダは4歳ちょっとで図書館の本を読みきっちゃうので、私も全部読みきろう! って(笑)。その頃から、将来は自分で選んだ児童書をたくさん並べた本屋さんをつくりたいなと思っていました。

長濱ねる

───日常的に読んでいるんですか?

 波がありますね。自分の心の状態と関係があるのかわからないんですけど、すっごく読むときと、まったく読まないときがあります。読むときには、電車の乗り換えのときも立ち読みしちゃうぐらい。一冊読みきってから次に行くタイプなんですけど、あまり気持ちが入らない本も最後まで読みます。

発言ひとつにしても、長濱ねるのフィルターをちゃんと通してから表に出さなきゃ

───文章を書くことも好きなんですよね。

 はい、好きですね。以前、ブログをやっていたときにはじめて気づいたんですけど、私は文章を褒められることがいちばんうれしいんだなって。でも、まだ全然ヘタなんですけどね。

───いやいや、『ダ・ヴィンチ』の連載すごく面白いですよ! しかも、ねるさんって女の子らしいイメージだったんですが、文章はかなり男前だなって(笑)。

 本当ですか(笑)。あの連載はまさに素の私ですね。ガサツなところがあるし、笑いのツボがちょっとシュールだったりするんですけど、そのまま書いちゃっています。

長濱ねる

───ある意味、誤解を恐れずに。

 そうですね。やっぱり自分らしくなきゃ意味がないだろうなと思ったんです。発言ひとつにしても、長濱ねるのフィルターをちゃんと通してから表に出さなきゃ、と。そういう意味で、エッセイも素直に書きたいなと思って。本当の自分というと大げさですけど、周りからどう思われるかということをあまり気にせず、楽しく書かせていただいています。

───文章を発表しはじめたことで、気持ちの変化はありましたか?

 文章を書くと、自分自身が調律される感じになります。書くことで、頭の中が整理できる。最近モヤモヤしてたのはこのせいだったのか、私はこういうことを思ってたのか、こんなことが気になってたんだ……書きながら俯瞰して自分を見られるんですよね。すごくこう、自分のことがわかってくる気がします。

言葉を集めるのは本当に楽しい

───やっぱり紙の本が好きですか?

 もちろん紙の本は大好きですけど、電子書籍もめちゃめちゃ使っています! 今すぐ読みたいものだったり、はじめての作家さんの本だったり、これはちょっと冒険かなと思うタイトルは電子で買うことが多いですね。逆に、紙の本をネットで買うことはしないんです。ちゃんと本屋さんに行って、手にとって選びたいから。

長濱ねる

───漫画も読みますか?

 漫画大好きです。漫画はほぼ電子で読んでいますね。高校生の頃に恥ずかしくて読めなかった青春熱血漫画みたいなのが、最近は胸にくるんですよね。部活とか、青春とか、絆とか、そういうものを描いた少女漫画で泣いちゃったりして(笑)。でも電子書籍って危険ですよね!? 私はいつも電子マネーで買っているんですけど、チャージしてもチャージしても追いつかない(笑)。

───支出に占める書籍代の割合が多そうですね(笑)。

 でも、いいんです。作家さんが本を一冊書くのにどれほどの労力を要するのかと考えたら、むしろもっとお金を払わせてください! という、オタク気質が顔を出したりするので(笑)。

長濱ねる

───きっと、言葉そのものが好きなんでしょうね。映画のセリフとかも覚えているタイプじゃないですか?

 まさにです! 映画を見ても、本や雑誌を読んでも、好きな言い回しとか、めちゃめちゃしっくりくる喩えとか、知らなかった素敵な言葉とか、全部スマホにメモしているんです。言葉を集めるのは本当に楽しい。でも、そのメモは絶対に見られたくないですね。本棚を見られるのがイヤなのと一緒で、裸を見られるようでものすごく恥ずかしいから。私、スマホ自体もロックしてないのに、メモのアプリだけはロックしてるんです(笑)。

───最終的に「いちばん好きな本は広辞苑です」って言うタイプかも(笑)。

 もしかしたら行き着く先はそこかもですね(笑)。

インタビュー・文=斉藤ユカ 撮影=荻原大志

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